東京電力ホールディングス(9501)は、原発再稼働の行方が業績と株価を大きく左右する日本最大級のエネルギー企業です。本記事では、東京電力HDの企業概要、財務状況、再建計画、柏崎刈羽原発の再稼働スケジュール、最新ニュースを整理し、今後の株価に影響するポイントを投資家目線で解説します。
「東京電力の今後はどうなるのか」「再稼働はいつか」「株価材料は何か」を知りたい方に向けた総合分析記事です。
東京電力HDの企業概要
東京電力ホールディングス株式会社(以下、東京電力HD)は、電気・ガス業を営む日本最大級のエネルギー企業である。1951年5月1日に設立され、2016年4月1日に現商号へ変更された。東京証券取引所プライム市場に上場しており、証券コードは9501である。
- 会社名 : 東京電力ホールディングス株式会社
- 英訳名 : Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc.
- 設立年月日:1951年5月1日(2016年4月1日 商号変更)
- 上場:1951年8月
- 業種:電気・ガス業
東京電力グループ経営理念
東京電力グループは,経営理念として Mission(使命),Vision(将来像),Values(価値基準)を掲げている。
Mission(使命)
安心で快適なくらしのためエネルギーの未来を切り拓く
Vision(将来像)
「カーボンニュートラル」や「防災」を軸とした価値創造により安心で持続可能な社会の担い手として信頼され選ばれ続ける企業グループを目指します
Values(価値基準)
- 安全最優先
- 責任の貫徹
- お客さまのために
- 変革への挑戦
東京電力HDの財務状況(IR 情報)
東京電力HDのIR情報によれば、連結営業成績・財政状況・キャッシュ・フローの推移は安定的である。特に、原子力発電所の再稼働や新規事業の進展が収益改善の鍵を握るとされる。
連結営業成績
東京電力ホールディングスの連結営業成績を示す。
連結財政状況
東京電力ホールディングスの連結財政状況を示す。
連結キャッシュ・フローの状況
東京電力ホールディングスの連結キャッシュ・フローの状況を示す。
特別事業計画
東京電力ホールディングスは,原子力損害賠償・廃炉等支援機構法 第46条 第1項の規定に基づき,原子力損害賠償・廃炉等支援機構と共同で,主務大臣(内閣総理大臣及び経済産業大臣)に対し,特別事業計画を認定してもらう必要がある。
第五次総合特別事業計画(2026年1月26日認定)
第四次総合特別事業計画以降の事業環境変化より,これまでの基本的な考えを維持しつつも 3 つの環境変化に対応していくとしている。
- 1F 廃炉の進捗
- GX・DX,エネルギー安全保障への要請の高まりや電力需要増
- 財務状況の悪化
株主への協力要請
福島第一原子力発電所事故発生後の厳しい財務状況等を鑑み,2011年3月期以降の配当を実施していないが,引き続き,無配の継続を容認することを要請している。
さらに,機構保有優先株式の普通株式への転換及び売却に伴う市場流通普通株式の一層の希釈化についても容認することを要請している。
五次特総で掲げた施策に取り組み,長期にわたり着実な利益を確保することで,市場における評価を高めていくこととしているので,温かく見守りたい。
柏崎刈羽原発の再稼働はいつ?最新スケジュールまとめ
東京電力 HD には,福島第一原子力発電所事故によって廃炉費用が重くのしかかる厳しい収益構造がある。経営改善には,柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が欠かせない。原子力発電所 1 基の再稼働で年間 1,000 億円の収益改善が見込まれるからだ。
策定中の再建計画・総合特別事業計画でも柏崎刈羽原子力発電所 6 号機は2026年春,7号機も2029年度中の再稼働を念頭に,重要課題に位置づけられる。
資産形成の観点からは,東京電力 HD の再建戦略と原子力政策の動向が中長期的な株価に与える影響を注視すべきである。再稼働の進展,地域との合意形成の行方が,投資判断における重要なファクターとなる。
| 年月 | 再稼働を巡る動き |
|---|---|
| 2011年3月 | 東日本大震災後,柏崎刈羽原子力発電所の全 7 基が運転停止。 |
| 2013年9月 | 6 号機と 7 号機の再稼働に向け,原子力規制委員会に審査を申請 |
| 2017年12月 | 6 号機と 7 号機が原子力規制員会の審査に合格 |
| 2021年4月 | 原子力発電所員による ID カードの不正利用など核物質防護上の問題が相次ぎ発覚し,原子力規制委員会が東京電力に核燃料の移動を禁じる事実上の運転禁止命令 |
| 2023年12月 | 原子力規制員会が東京電力のテロ対策について「自律的な改善が見込める」などとして運転禁止命令を解除 |
| 2025年 6 ~ 8 月 | 新潟県が再稼働を巡り県民から意見を聞く全 5 回の公聴会を実施 |
| 2025年8月 | 政府が避難道整備などの補助対象を原子力発電所の半径 10 km 圏内から 30 km 圏内の自治体に拡大する方針を表明 |
| 2025年9月 | 新潟県が再稼働について県民意識調査を実施 |
| 2025年10月 | 小早川智明社長が新潟県議会で県への 1,000 億円規模の資金拠出や 1,2 号機の廃炉検討に言及 |
| 2025年11月21日 | 県議会の議論や県民意識調査の結果を踏まえ,花角英世知事が再稼働容認 |
| 2026年1月21日 | 19:02,柏崎刈羽原子力発電所 6 号機が再稼働したが,制御棒引き抜き中のトラブルで原子炉を停止 |
| 2026年2月9日 | 再稼働の作業再開 |
東京電力HDの株価に影響する最新ニュース
データセンター事業に本格参入(2025年7月1日)
2025年7月1日,読売新聞は「東京電力 HD は,2027 年度にもデータセンター (DC) 事業に本格参入する」と報じた。DC 事業の参入による収益拡大を期待した買いが集まっている。
柏崎刈羽原発の再稼働に向けた基金設置提案(2025年10月9日)
国内メディア各社が2025年10月8日の取引終了後,東京電力 HD が新潟県に対し,1,000 億円規模の基金の設置を提案することで調整していると報じた。
柏崎刈羽原子力発電所 6 号機と 7 号機の再稼働を前提として提案するものとみられている。株式市場においては,地元理解のもと原子力規制委員会の審査に合格した 6 号機と 7 号機が早期に再稼働を果たし,東京電力 HD の収益が改善するとの思惑から,同社株を先行する姿勢が強まったようだ。
柏崎刈羽原子力発電所 1,2 号機の廃炉検討を表明(2025年10月16日)
東京電力 HD の小早川智明社長は2025年10月16日,柏崎刈羽原子力発電所の 1 号機と 2 号機の廃炉を検討すると表明した。また,新潟県に 1,000 億円規模の資金を拠出を表明した。
東京電力 HD は柏崎刈羽原子力発電所の 6 号機と 7 号機の再稼働を目指しているが,地元から 1 ~ 5 号機のうち 1 基以上の廃炉や経済的な恩恵を求める声が上がっていた。
新潟県の花角英世知事は集計中の県民意識調査や県議会の議論などを踏まえ,11月以降に再稼働の是非を判断する方針。地元では再稼働に伴う経済的なメリットを求める声も根強い。
小早川社長の発言要旨
- 柏崎刈羽原子力発電所の 1 号機と 2 号機の廃炉を検討
- 廃炉の判断には 6 号機の再稼働から 1 年半程度の期間が必要
- 2023年度の見積りで,1 号機の廃炉費用は約 823 億円,2 号機が約 735 億円
- 廃炉は 30 ~ 40 年かけて段階的に進める
- 10 年程度の期間を念頭に計 1,000 億円規模の資金を新潟県に拠出
新潟知事,柏崎刈羽原発の再稼働を容認(2025年11月21日)
新潟県の花角英世知事は,柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の容認を正式に表明した。
12月2日開会の定例県議会に諮った上で,国に「地元同意」の意志を伝える。
東京電力は年度内にも 6 号機の運転を再開させる見通して,2011年の福島第一原発事故後,東電が原発を再稼働するのは初めてとなる。
原発が 1 基再稼働すれば収支は年間で約 1000 億円改善すると言われている。再稼働で経営をあんていかさせ,廃炉作業と福島の復興を着実に進めていく必要がある。
筆者の保有状況と投資スタンス
2025年7月6日現在,東京電力 HD 株式を 900 株保有している。
| 約定日 | 口座 | 売買 | 数量 [株] | 単価 [円] |
|---|---|---|---|---|
| 2011-05-02 | 特定 | 買付 | 100 | 429.0 |
| 2011-05-02 | 特定 | 買付 | 100 | 429.0 |
| 2011-05-06 | 特定 | 売付 | 200 | 455.0 |
| 2011-05-16 | 特定 | 買付 | 200 | 425.0 |
| 2011-06-09 | 特定 | 買付 | 100 | 170.0 |
| 2011-06-09 | 特定 | 買付 | 100 | 170.0 |
| 2011-06-09 | 特定 | 買付 | 200 | 170.0 |
| 2011-07-04 | 特定 | 売付 | 600 | 350.0 |
| 2011-08-05 | 特定 | 買付 | 100 | 385.0 |
| 2011-09-27 | 特定 | 買付 | 100 | 222.0 |
| 2011-09-27 | 特定 | 買付 | 800 | 222.0 |
| 2012-01-10 | 特定 | 買付 | 600 | 155.0 |
| 2012-12-18 | 特定 | 売付 | 800 | 249.0 |
| 2013-03-29 | 特定 | 売付 | 400 | 249.0 |
| 2013-04-12 | 特定 | 売付 | 200 | 398.0 |
| 2013-05-14 | 特定 | 売付 | 200 | 499.0 |
| 2014-08-05 | 特定 | 買付 | 200 | 395.0 |
| 2016-07-28 | 特定 | 買付 | 200 | 415.0 |
| 2025-06-02 | 特定 | 買付 | 500 | 388.0 |
まとめ
東京電力HD(9501)は、柏崎刈羽原発の再稼働が最大の株価材料であり、再建計画の成否を左右する重要な要素です。2026年以降の再稼働スケジュール、地元合意形成、政府の原子力政策が中長期的な株価を決定づけます。投資判断においては、再稼働の進展と新規事業の収益化を継続的にチェックすることが重要です。
更新履歴
- 2025年7月14日 新規作成
- 2025年7月20日 IR 情報を追加
- 2025年10月9日 「柏崎刈羽原発の再稼働に向けた基金設置提案」を追加
- 2025年10月18日 「柏崎刈羽原子力発電所 1,2 号機の廃炉検討を表明」を追加
- 2025年11月22日 「新潟知事,柏崎刈羽原発の再稼働を容認」を追加
- 2025年12月21日 タイトルと見出しを変更
- 2026年1月21日 「柏崎刈羽原子力発電所 6 号機 原子炉再稼働」を反映
- 2026年1月26-27日 特別事業計画を追加
- 2026年2月7日 「柏崎刈羽原子力発電所 6 号機の再稼働作業再開」を反映

コメント