個人がコンテンツを投稿・販売するメディア「note1」を運営する note 株式会社 (note inc.) の企業研究を行う。
本稿では,同社の概要,事業内容,成長戦略,Google との業務資本提携,国家プロジェクト採択など,投資判断に関わる情報を整理する。
note 株式会社の概要
2011年12月8日,note 株式会社は加藤貞顕氏により設立された。2022年12月21日に東証グロースへ上場している。
- 代表者:加藤貞顕(代表取締役 CEO)
- 設立年月日:2011年12月8日
- 上場年月日:2022年12月21日
コーポレートミッション
note 株式会社グループでは「だれもが創作をはじめ,続けられるようにする。」をコーポレートミッションとして掲げている。
私自身,Web ページやブログを運営しているので,上記のコーポレートミッションには共感できる。
事業内容
2025年2月現在,note 株式会社の事業は,メディアプラットフォーム事業と IP・コンテンツクリエーション事業の 2 つがある。
第13期(2023年12月1日から2024年11月30日)では,メタプラットフォーム事業の売上高は 3,298,606 千円(約 33 億円),IP・コンテンツクリエーション事業の売上高は 13,642 千円(約 0.13 億円)となっている。
メディアプラットフォーム事業
メディアプラットフォーム事業では,CtoC メディアプラットフォーム「note」の運営,法人向け情報発信メディア SaaS「note pro」の運営,「note」上での企業協賛型コンテストの実施等を中心とした法人向けサービスに取り組んでいる。
IP・コンテンツクリエーション事業
IP・コンテンツクリエーション事業では,クリエイターの企画や作品のエージェント,コンテンツ制作・販売,外部企業からの企画・コンテンツ制作受託に取り組んでいる。
対処すべき課題
今後の対処すべき課題については,以下の 7 点を挙げている。
- 「note」「note pro」のさらなる拡大
- 新規事業の立ち上げと拡大
- 優秀な人材の確保と育成,それに合わせた組織体制の構築
- 内部管理体制の強化
- 情報管理体制の強化
- 業務の効率化による生産性向上
- 業務期間システムの維持・強化
Google との業務資本提携
2025年1月14日,note 株式会社は Google との業務資本提携を発表した。提携する業務と資本の内容は以下のとおり。
- AI 開発で業務提携
- Google が note 株式会社に約 5 億円出資
いずれも,note 株式会社の持続的な成長と企業価値向上に資するものである。5 億円の資本は,優秀な人材の確保と育成に使われるとのことで,対処すべき課題に立ち向かっていく力を身に付けることが期待される。
Google との業務資本提携を発表して以降,note 株式会社の株価は上昇している。

国家プロジェクト「GENIAC」
2025年12月19日,経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) が実施する生成 AI 開発を推進するプロジェクト「GENIAC」に note が提案した事業が採択された。note は本事業を通じて,AI 時代における公正なコンテンツ流通と,作り手に対価が還元される新しいエコシステムの実現を目指す。
RAG(検索拡張生成)技術を活用し,出版社,学術団体,ウェブメディア等の持つ高品質なコンテンツを AI が解答を生成する際に参照できるデータベースを構築する。生成 AI サービスは RAG データベースを参照しながら回答が可能になり,情報の正確性を飛躍的に高めることができる。
コンテンツの権利者・事業者も AI による参照履歴が取得可能になり,利用履歴に基づいた公正な対価還元を行なえるようになる。データフォーマットの標準化や具体的な活用のためのユースケース構築にも取り組む。
決算
2025年11月期決算
2026年1月13日,noteは 2025年11月期決算と2026年11月期業績予想を発表した。
- 2025年11月期 連結調整後 EBITDA2 3.14 億円(前期比 3.7 倍)
- 2026年11月期 連結調整後 EBITDA 8.10 億円(前期比 2.6 倍予想)
また,生成 AI 開発推進プロジェクト GENIAC に採択されたことも発表した。
翌14日,note の株価は前日比 400 円のストップ高となった。
note 株式会社の株式保有履歴
私の note 株式会社の株式保有履歴を示す。
| 約定日 | 取引 | 数量 | 単価 |
|---|---|---|---|
| 2023-04-21 | 買付 | 300 株 | 600.0 円 |
| 2025-02-12 | 売付 | 100 株 | 2,733.2 円 |
FIRE を目指す資産形成の観点では,成長企業への長期投資が重要である。note 株式会社はその候補の一つとして注目している。
参考文献
- note 株式会社「事業計画及び成長可能性に関する事項」,2025年2月13日
- note 株式会社「note、生成AIの社会実装を加速する国家プロジェクト「GENIAC」に採択。出版社やクリエイターに対価が還元される「RAGデータエコシステム」構築へ」,2025年12月19日
更新履歴
- 2025年2月16日 新規作成
- 2025年12月20日 国家プロジェクト「GENIAC」に採択を追加
- 2026年1月16日 決算情報(2025年11月期)を追加
- クリエイターがユーザーとコミュニケーションをとりながらデジタルコンテンツを創作・公開・販売できるプラットフォーム。 ↩︎
- EBITDA は Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略で「利払い前・税引き前・減価償却前利益」を意味する。国や会計方針による違いを除外して,本業のキャッシュ創出力(儲ける力)を客観的に把握する指標として用いられる。 ↩︎
コメント